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『孤独のグルメ』連載開始から約30年。
そんな節目を記念して、久住昌之が井之頭五郎を小さな忘年会に招いた。主人公とその生みの親、ふたりの間にどんな会話が交わされるのであろうか。
久住昌之執筆ショートストーリー『はじめての乾杯』。

久住:いやぁ、はじめまして。なんて、そんなわけないんですが…ハハハ
五郎:こうやって直接お会いして話すのは、初めてですね。
久住:初めてですね。なんかテレるなぁ。

五郎:もう30年ですものね、ボクが誌面に現れて。
久住:誌面に現れて、か。ですね。30年かぁ、俺も歳をとるわけだ。
五郎:ボクの方は変わりませんが。
久住:アハハ、いいなぁ。じゃ、とりあえず乾杯しますか。
五郎:あ、はい。
久住:ではここまで30年、お疲れさまでした…乾杯。
五郎:乾杯。

久住:……あ、これウマイ!
五郎:いつも飲んでるじゃないですか。
久住:いやこれ、ノンアルコールなんですよ。飲んでみてくださいよ。

五郎:えぇ?……でもこういう時、嘘ついてお酒飲ませるタイプじゃないですよね?
久住:そーですよぉ。ちゃんとボクと同じラガーゼロです。
五郎:ええ………。

久住:ハハハ、そんなに恐る恐る……。
五郎:(ゴクリ)……なんか。
久住:どうすか?
五郎:意外なんですが……。
久住:どう?
五郎:……イケるかもしれないです。
久住:あはは、ホント? なんかうれしいなぁ! うまいっすよこれ……(ゴク)。

五郎:わぁ、おいしそうに飲むなぁ。
久住:ハハハ、そう? ボク、味に関しては正直者なの。これはオッイッシッイ!
五郎:それ、ほんとにノンアルですかぁ?
久住:ホントですって! ボクは飲めない人と飲むのもダメなんです。自分だけ酔っぱらったら悪いし、恥ずかしいし。これ、そういう時にもこれいいな。普通においしいし。
五郎:……なんだか不思議な気持ちです。
久住:アハハ、まだ恐る恐る飲んでる。
五郎:それはだって……。無理やり飲まされて辛かった記憶もあるんで……。
久住:ボクは飲めない人にお酒飲ませるの大っ嫌いなの。
五郎:第2巻のお茶漬け屋さんの話でそんなのありましたね。
久住:あったっけ。
五郎:ハハ、自分で書いて忘れてる。
久住:そうね、1巻の川崎の焼肉屋のチャプチェ、味が濃いからきっとこれ合うな。あと、仕事途中にコンビニでいっぱい食べ物買ってきちゃったことあったよね?
五郎:ああ、デスクが「すごいことになっちゃった」回か。
久住:そうそう。あんな時も、ボクはラガーゼロなら飲める。「うずらと牛肉の中華風」とか合いそう。コンビーフも玉子焼きもこれで十分いける。ボクは酒飲んだら原稿書けないタイプなんで。

五郎:そうなんですか。
久住:新幹線車内のシューマイにも絶対合う。ジェットね、ジェット。
五郎:あれはもう売ってないんですよね。
久住:うん。でも笑った、あの回。でも五郎も酒飲めたらよかったな、ってこともあるでしょ?
五郎:いつか渋谷の百軒店にあった餃子屋さんで……。
久住:あぁ、あそこね!ライスがない店!

五郎:そうそう!あそこはちょっと辛かった。餃子がすっごくおいしいのに、ごはんが…
久住:ない!ボクは逆にあの店にライスがあってビールがなかったらショックだな。
五郎:あぁ、そういうもんですかね。
久住:そうだよ。ビール無きゃ行かない、少なくとも一人では。
五郎:そこまで飲みたいかなあ。
久住:いやいや、そういうわけじゃないけど、あの餃子にはビールが欲しい。
五郎:ボクのライスもそんな感じです。
久住:そうか。でもさ、そこにこのラガーゼロがあったら……

五郎:いいですね。
久住:ね!だよね! お互いいいよね!ってことで……
五郎:あ……
久住・五郎:カンパーイ!
久住・五郎:……

久住:いやー、アハハハ。なんかいいなぁ。
五郎:ハハ、飲めるって、こんな感じなんですかね。
久住:ほぼそんな感じ。アハハハ。
五郎:ハハ……ほぼ。
久住:ハハハ、ほぼでいいんだよ。
五郎:久住さんは飲むとすぐ笑いますね。
久住:ええ……それはだって……うれしいじゃない、ハハハ。人がボクと同じものをおいしいって。
五郎:うーん、いやしかし……悪くないですね。
久住:「マズくない!けっしてマズくないぞ!! ああ、うまい!」ってのもあったねぇ。
30年越しの乾杯「連載開始時は同じ年だったんだけど…」
1994年の連載開始から約30年経ったいまなおファン層を拡大し続けている『孤独のグルメ』。その原作者である久住昌之さんが、今回はじめて主人公・井之頭五郎と乾杯を交わした。その胸中は?
「まさか自分が書いたキャラクターと30年後に対談することになるとは思いませんでした。連載開始時の僕と五郎は同じ年だったんだけど、今は随分年下に。マンガはいいね、年を取らないから」
ショートストーリーの執筆時を振り返り、「令和の今、五郎が居るという感覚が不思議で面白かった」と語る久住さん。もっと長いものでも書けそうと続ける。
「『この間、東北に行ったんだけど大船渡とか行ったことある?』『あそこ遠いですよね』とかね。そもそも、30年前のノンアルコールは今ほどおいしくなかった訳で、作品に登場させようと思ったこともなかった。だから、『ラガーゼロ』を五郎がおそるおそる事務所で飲む様子とか書いてみたいね。飲もうとして『コップに注いだ方がいいのか? でもここにはビール用のコップなんてないぞ』とかってね。『貰いもののワイングラスがあったはず』なんてゴソゴソ出してくる。だけど、普段飲まないからよく分かってなくて、グラスを回したりして。『違うか』とか言ってね」
初めてのラガーゼロに「お酒辞めちゃったりしてね(笑)」
そんな久住さんの前に運ばれてきたのは、美しい金色の液色とクリーミーな泡がそそる「ラガーゼロ」。一口飲んだ久住さんの第一声は?
「おー、おぉ、いいねぇ。いや、かなりいいですよ。もう、お酒辞めちゃったりしてね(笑)。いや、でもいいよ」
久住さんを唸らせたのは、その製法にある。「ラガーゼロ」は、ビールに寄せた飲料を目指してつくられたのではなく、まずラガータイプのビールを醸造して、そこからアルコールを抜いてつくられているのだ。
よって、ホップの苦みや爽快なのどごしを感じられ、飲みごたえがありながらも飲み飽きないうまさを実現。そんな「ラガーゼロ」と共に、原作にも登場したシウマイを久住さんに食してもらった。
「うん、うん、おいしい。かなりいけるね。炭酸の具合もちょうどいい。こんなおいしいノンアルコールがあったら、いろんな場面で活用できそう。僕は誰かとふたりでご飯を食べる時、相手が全然飲めなかったら飲みたくないんですよね。やっぱり相手に合わせちゃうというか。だけど相手が『ラガーゼロ』なら、ボクも『ラガーゼロ』でいきます。この味なら全然ツラくない。むしろ『ラガーゼロ』をもっとおいしく飲めるかも」

「赤い顔でサイン会は出来ない」飲めない場面の救世主に
お酒のイメージが付いて回る久住さんだが、意外に飲まない、飲めないシーンも多いと言う。
「地方での演奏会後すぐ飲めるようにって冷えた缶ビールを6本とか頂くことがあるんです。お気持ちはうれしいんだけど、重い楽器を持ってすぐ移動なんで、飲めないうえ荷物になる。困るのが、サイン会の控室に『まずは麦ジュースでもどうぞ』と何種類か用意されている時もあります。さすがに赤い顔でサインは出来ないですよ(笑)。そんな時は、『ラガーゼロ』で納得してもらって。実は、立食パーティーで飲むのも苦手。早く落ち着いた場所に移ってゆっくりと飲みたいんです。だけど、パーティー会場でウーロン茶じゃちょっと締まらない。そういう時に『ラガーゼロ』があるといいよね。『お注ぎしますよ』『おーっと』なんて出来ますし。まだ缶だけなの? びんの需要あるんじゃないかなあ。あと、外で飲んで帰って、十分酔っているのに『一口冷たいビールが飲みたい』って、冷蔵庫から缶ビール出して飲むことあるんです。惰性で。あれホント無駄なアルコール(笑)。朝見ると缶に残ってるし(笑)。そんな時もラガーゼロいいと思う。飲みすぎないためにも」
さまざまなシチュエーションでの「ラガーゼロ」の付き合い方を考えてくれた久住さん。
一度、ビールをつくってアルコールを抜く脱アルコール製法で生まれたラガーゼロ。そして原作者からアルコールを抜いて生まれたという井之頭五郎(新装版収録の特別鼎談より)。
そんな脱アルコールという共通点から生まれたのが今回の『はじめての乾杯』です。
飲める人、飲めない人、飲まなくなった人も「ラガーゼロ」があれば、みな同じ気持ちで乾杯ができる。

<提供/キリンビール>ノンアルコールも20歳になってから
<取材・文/山脇麻生 撮影/加藤岳>
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